YamaQuest
🎒 一般 12分

あなたに合った登山装備 — 3段階で始める山歩き

「全部揃えないと山に行けない」は誤解です。最低限パック・ちゃんと揃えたパック・安心フル装備の3段階で、あなたのレベルに合った装備を紹介します。

公開日: 2026-03-26

「全部揃えないと山に行けない」は誤解です

登山を始めたいと思って装備を調べると、専門用語と高額なギアの数々に圧倒されがちです。「レインウェアは防水透湿性能が…」「ベースレイヤーのメリノウールが…」——確かに大切ですが、最初からすべてを揃える必要はありません。

このガイドでは装備を3つのレベルに分けました。あなたの経験と行きたい山に合わせて、必要なものだけを段階的に揃えていきましょう。


Lv.1 まずはこれだけパック

対象: 登山未経験者 / はじめての山歩き 行ける山: 高尾山御岳山弘法山 など(難易度 ★☆☆☆☆) 予算目安: 5,000〜10,000円

「山に行ってみたい」と思ったその週末に出発できる、最低限の装備です。普段着の延長で大丈夫。専用装備は靴だけ揃えれば十分です。

必須アイテム

アイテムポイント参考価格
トレッキングシューズソールが硬めで滑りにくいもの。ワークマン、ABCマートで入手可能3,000〜5,000円
速乾Tシャツポリエステル素材。ユニクロのドライEXやエアリズムでOK。綿は絶対NG手持ちor 1,000円
動きやすいパンツストレッチ素材。ジーンズは重くて乾かないので避ける手持ちor 2,000円
ウィンドブレーカー手持ちのナイロンジャケットで十分手持ち
小型リュック普段使いのリュック(15〜20L)でOK手持ち
ペットボトル500ml × 2本200円
行動食おにぎり2個、チョコレート、飴500円
スマホ地図アプリ(YAMAP or ヤマレコ)をインストール無料

Lv.1 のポイント

  • 靴だけは投資する: スニーカーでも行けなくはないが、ソールが柔らかいと下山時に足が痛くなる
  • 綿素材だけは避ける: 汗や雨で濡れると乾かず、体温を奪う。これだけは守ろう
  • 地図アプリは出発前にダウンロード: 山中は電波が不安定。事前にオフライン地図を入れておく

💡 まずは山に行ってみることが大事。 完璧な装備より「体験すること」のほうがずっと価値があります。


Lv.2 ちゃんと揃えたパック

対象: 低山を2〜3回経験した人 行ける山: 大山筑波山金時山 など(難易度 ★★☆☆☆〜★★★☆☆) 予算目安: 30,000〜50,000円(Lv.1に追加)

山歩きの楽しさがわかってきたら、「三種の神器」を揃えるタイミングです。登山靴・レインウェア・ザック——この3つがあれば、日帰り登山の大半に対応できます。

Lv.1 からの追加アイテム

アイテムポイント参考価格
登山靴(ミドルカット)足首を保護し、岩場でも安定する。キャラバン C1-02S、モンベル タイオガブーツが定番10,000〜18,000円
レインウェア(上下セット)防水透湿素材が理想。モンベル ストームクルーザーが定番。上下セットで揃える15,000〜25,000円
ザック(25〜30L)腰ベルト付きで荷重を分散。グレゴリー、モンベル、オスプレーなど8,000〜15,000円
ヘッドライト日帰りでも必携。下山が遅れた場合の命綱。ペツル、ジェントスなど2,000〜4,000円
モバイルバッテリー10,000mAh以上推奨。スマホは地図・緊急連絡の生命線2,000〜3,000円
ザックカバー急な雨からザックを守る。ザック付属の場合もあり1,500〜2,500円
行動食(充実版)ナッツ、羊羹、塩タブレット、エネルギーゼリー500〜1,000円

Lv.2 のポイント

  • 登山靴は必ず試着して買う: オンラインではなく実店舗で。足型は人それぞれ
  • レインウェアはケチらない: 安価なカッパは蒸れて体力を消耗する。防水透湿素材は山での快適さが段違い
  • ザックは体に合ったものを: 背面長を店員に測ってもらい、フィッティングする
  • ヘッドライトは保険: 使わないかもしれないが、持っていないと日没後に詰む

💡 三種の神器を揃えたら、行ける山の選択肢が一気に広がります。 天候が多少崩れても安心して歩けるようになります。


Lv.3 安心フル装備パック

対象: 難易度★★★以上に挑戦したい人 / 季節を問わず登りたい人 行ける山: 丹沢・塔ノ岳雲取山赤城山 など(難易度 ★★★☆☆〜) 予算目安: 80,000〜120,000円(Lv.2に追加)

標高1,000mを超えると気温差が大きくなり、天候も急変しやすくなります。「備えあれば憂いなし」のフル装備で、安全に山を楽しみましょう。

Lv.2 からの追加アイテム

アイテムポイント参考価格
ベースレイヤーメリノウールまたは化繊アンダーウェア。汗を素早く外に逃がす5,000〜8,000円
ミドルレイヤーフリースまたは薄手ダウン。行動中の保温層5,000〜10,000円
トレッキングポール膝への負担を30%軽減。下りで特に効果大5,000〜12,000円
ファーストエイドキット絆創膏、テーピング、消毒液、常備薬、エマージェンシーシート3,000〜5,000円
紙の地図 + コンパススマホが壊れた場合のバックアップ。国土地理院地図がおすすめ1,000〜2,000円
ゲイター(スパッツ)小石や雪の侵入を防ぐ。泥道にも有効3,000〜5,000円
保温ボトル寒い時期の温かい飲み物は体力回復に直結3,000〜5,000円

レイヤリング(重ね着)の考え方

山では「1枚の厚い服」ではなく「薄い服を重ねる」のが基本です。

【3レイヤーシステム】

ベースレイヤー(肌着)  → 汗を吸って外に逃がす

ミドルレイヤー(中間着) → 空気をためて保温する

アウターレイヤー(外着) → 風・雨を防ぐ(= レインウェア兼用)

行動中は暑くなるのでミドルレイヤーを脱ぎ、休憩時に着る。こまめな脱ぎ着が体温調整のコツです。

Lv.3 のポイント

  • レイヤリングをマスターする: これだけで快適度が劇的に変わる
  • ファーストエイドキットは「使い方」も覚える: 持っているだけでは意味がない
  • トレッキングポールは使い方を練習: 最初は邪魔に感じるが、慣れると手放せない
  • 装備の重量を意識する: ザック重量は体重の20%以下が目安

💡 ここまで揃えたら、日本の日帰り登山はほぼすべてカバーできます。 季節や天候を気にせず山を楽しめるようになります。


3レベル比較一覧

項目Lv.1 まずはこれだけLv.2 ちゃんと揃えたLv.3 安心フル装備
予算5,000〜10,000円+30,000〜50,000円+80,000〜120,000円
対応する山難易度 ★☆☆☆☆難易度 ★★〜★★★難易度 ★★★〜
トレッキングシューズ登山靴(ミドルカット)同左
雨対策ウィンドブレーカーレインウェア(上下)同左 + ザックカバー
カバン普段のリュックザック(25〜30L)同左
保温ベース + ミドルレイヤー
ナビゲーションスマホスマホ + ヘッドライト同左 + 紙地図・コンパス
安全装備ファーストエイドキット
補助トレッキングポール

装備を揃える前に知っておきたいこと

レンタルという選択肢

「いきなり買うのは不安…」という方には、登山装備のレンタルサービスもあります。登山靴・レインウェア・ザックの三種の神器を一式レンタルして、実際の山で試してから購入を検討するのも賢い方法です。

買う順番のおすすめ

  1. (最優先。体に合わないと楽しめない)
  2. レインウェア(安全に直結する)
  3. ザック(快適さが段違い)
  4. ヘッドライト(安価だが安全に必須)
  5. それ以外(経験を積みながら順次追加)

綿だけは本当にダメ

何度でも言いますが、登山で綿素材は厳禁です。Tシャツもパンツも下着も、汗で濡れた綿は体温を急速に奪います。ユニクロのドライEXやワークマンのポリエステル製品で十分なので、素材だけは確認しましょう。


次のステップ

装備を揃えたら、次は山歩きの基本知識を身につけましょう。

あなたのレベルに合った山を探すなら: