★★★★☆ 上級者向け+ 百名山
甲斐駒ヶ岳 — 白き貴公子・南アルプスの鋭峰
日本百名山第77座・甲斐駒ヶ岳(2,967m)の登山ガイド。白い花崗岩が美しい南アルプスの名峰。北沢峠からの日帰りルートと、日本三大急登の黒戸尾根を解説。
公開日: 2026-03-24
最寄り駅
🚉 甲府駅
JR中央本線(新宿から約1時間40分)
所要時間
⏱ 約7〜8時間(北沢峠ルート往復)
距離
📏 約8km(北沢峠ルート往復)
標高
⛰ 2967m
おすすめ時期
夏, 秋
登山届
✅ 不要
装備レベル
🎒 フル装備
コース概要
甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は山梨県と長野県にまたがる南アルプス(赤石山脈)の名峰で、標高2,967m。日本百名山第77座に選ばれています。
最大の特徴は純白に輝く花崗岩の山頂部。他の南アルプスの山々が黒い岩肌や緑の稜線を持つ中、甲斐駒ヶ岳だけが白い砂礫と岩で覆われた山頂を持ち、その優美な姿から「南アルプスの貴公子」と称されています。
主要登山ルートは2つ:
- 北沢峠ルート(一般的・人気): 標高2,036mの北沢峠からスタートするため日帰りも可能
- 黒戸尾根ルート(上級・日本三大急登): 標高差2,200m以上を一気に登る難ルート
仙丈ヶ岳(百名山第78座)と同じ北沢峠を起点とするため、2泊3日で両峰を制覇するプランも人気です。
おすすめルート: 北沢峠〜仙水峠〜山頂
北沢峠から仙水小屋・仙水峠を経由して山頂へ向かう最もポピュラーなルートです。
コースタイム
| 区間 | 所要時間 |
|---|---|
| 北沢峠 → 仙水小屋 | 約45分 |
| 仙水小屋 → 仙水峠 | 約40分 |
| 仙水峠 → 駒津峰 | 約1時間20分 |
| 駒津峰 → 甲斐駒ヶ岳山頂(直登ルート) | 約1時間 |
| 登り合計 | 約3時間45分 |
| 下り合計(駒津峰〜双児山経由) | 約3時間 |
| 周回合計(休憩込み) | 約8時間 |
ヒント: 駒津峰から山頂への直登ルートは白い花崗岩の急斜面を登る迫力のあるルート。巻道(摩利支天方面経由)もあり、こちらは傾斜がゆるやか。初めての方は巻道を推奨します。
注意: 北沢峠へのバスは本数が限られています。最終バスに乗り遅れないよう、余裕ある行動計画を立てること。
アクセス情報
甲府方面から(山梨側)
- 最寄り駅: JR中央本線 甲府駅
- 東京から: JR中央特急「あずさ」で甲府駅まで約1時間40分
- バス: 甲府駅から山梨交通バスで広河原まで約1時間40分、さらに南アルプス市営バスで北沢峠まで約40分
- マイカー規制: 甲府側は芦安駐車場(無料・約400台)に停め、バスに乗り換え(シーズン中はマイカー規制)
伊那方面から(長野側)
- 最寄り駅: JR飯田線 伊那市駅
- バス: 伊那市駅から伊那バスで戸台口(仙流荘)へ、そこから南アルプス林道バスで北沢峠へ
注意: シーズン中(6月下旬〜11月上旬)のみ運行。最新の時刻表・運行情報を必ず確認すること。
コンビニ・売店・トイレ情報
コンビニ
- 甲府駅周辺: 駅ビル内・周辺に複数のコンビニあり。北沢峠以降にコンビニはないため、ここで買い揃えること
- 伊那市駅周辺: 駅周辺にコンビニあり
売店・山小屋
- 芦安山岳館(芦安駐車場近く): 登山情報の収集に便利
- 長衛小屋(北沢峠): 北沢峠テント場に隣接。飲料・軽食・テント場利用可
- 仙水小屋: 飲料・軽食・宿泊可
- 甲斐駒ヶ岳山頂直下小屋: シーズン中営業(要確認)
トイレ
- 北沢峠: バス停近くに公衆トイレ(協力金)
- 長衛小屋テント場: トイレあり
- 仙水小屋: 利用可
見どころ
白い花崗岩の山頂
- 山頂一帯を覆う白い花崗岩の砂礫と巨岩。「南アルプスの貴公子」の名にふさわしい神々しい姿
- 駒津峰からの甲斐駒ヶ岳の眺めは登山者に人気の絶景ポイント
- 山頂から仙丈ヶ岳・北岳・富士山・八ヶ岳・北アルプスまで一望
摩利支天(まりしてん)
- 山頂付近に屹立する岩峰「摩利支天(2,820m)」は独特の存在感
- 巻道ルートから立ち寄ることができ、岩壁からの眺めが素晴らしい
仙水峠の奇岩群
- 北沢峠から仙水峠へ向かう途中に広がる巨大な岩石の海(フェルゼンメール)
- 氷河・凍結融解による岩石破砕の産物で、地質学的にも興味深い景観
黒戸尾根の歴史
- 古来より信仰登山の道として栄えた黒戸尾根。刃渡り・刀利天狗・五合目小屋などの地名が往時をしのばせる
- 尾根上には石碑・鳥居・鎖場が続き、修験の山の雰囲気を今に伝える
持ち物チェックリスト
- ✅ 登山靴(ハイカット、岩稜対応)
- ✅ レインウェア上下
- ✅ 防寒着(稜線上は夏でも10〜15℃)
- ✅ グローブ(鎖場・岩場用)
- ✅ ヘッドライト
- ✅ 行動食・昼食
- ✅ 飲料水(最低2L。山小屋で補充可能)
- ✅ 地図・コンパス(またはGPSアプリ)
- ⬜ ヘルメット(直登ルートの落石リスクに対応)
- ⬜ アイゼン(残雪期・10月下旬以降)